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雨音が教えてくれること
キッチンカーの窓に、ぽつぽつと雨が当たる音がする。
晴れた日とは違う、独特の静けさが車内に広がる。
いつもなら人の声や車の音でかき消されている雨音が、こんな日はよく聞こえる。
営業を始めたばかりの頃は、雨の日は「お客さんが来ない日」としてただ落ち込んでいた。
でも今は少し違う感覚で雨の日を迎えている。
雨は、忙しさの中で見過ごしていたものに気づかせてくれる、そんな時間をくれる。

向き合う時間
お客さんの波が途切れた合間、車内でふと手が空く時間ができる。
いつもは接客に追われて後回しになりがちなことも、雨の日はじっくりと向き合える。
メニュー表を見直したり、仕入れの計画を立てたり、溜まっていたメモに目を通したり。
一つひとつはささいな作業でも、落ち着いて向き合うと不思議と頭の中が整理されていく。
雨音だけが響く車内には、忙しい日には味わえない静けさがある。
丁寧に仕事をすることを大切にしてきたけれど、雨の日はその丁寧さそのものを見つめ直す時間になる。

傘をさして来てくれる人
そんな静かな時間の中でも、ぽつりぽつりとお客さんが顔を出してくれる。
傘をさしながら、それでも足を運んでくれたその気持ちが、いつも以上にありがたく感じられる。
「雨の日でもやってるんですね」
そう声をかけてもらえると、こちらの気持ちまで温かくなる。
濡れた傘を畳みながら注文してくれる姿を見ると、忙しい日には気づけない、一人ひとりとの距離の近さを思い出す。
雨の日だからこそ生まれる、静かな会話がある。
次の晴れ間のために
雨の日は、売上だけで見れば決して良い日ではないかもしれない。
けれど、こうした時間があるからこそ、晴れた日の忙しさにまた向き合える気がする。
豆と向き合い、自分の店のことを見つめ直し、少ないお客さんとの会話を大切にする。
そんな静かな一日も、キッチンカーの仕事の一部だと思う。
次に晴れた日、いつも通りの賑やかな時間が来たときに、この雨の日に感じたことを忘れずにいたい。

自家焙煎コーヒーライフ/ライフさん
ライフさんのブログ投稿日:火曜日&木曜日20時
