雨の日、何をしているのか

出店できない日も、コーヒーは続いている

キッチンカーの仕事をしていると、必ず聞かれる質問があります。
「雨の日はどうしてるんですか?」。

営業をお休みすることがあります。
屋外での出店が中心なので、雨風の強い日は器材にも豆にもよくありません。

でも、休みイコール何もしていない、というわけではないんです。
雨の日は雨の日で、晴れの日にはできない仕事が待っています。

焙煎と向き合う時間

出店がない日は、焙煎機の前に長く座っていられる貴重な時間になります。
普段は現場での接客や仕込みに追われて、じっくり豆と対話する余裕がなかなか持てません。

雨音を聞きながら焙煎度合いを微調整したり、新しい豆のテストロットを試したり。
静かな時間だからこそ気づける香りの変化があって、雨の日の焙煎は実は一番集中できる作業だったりします。

次の一期一会を考える設計図

出店先の選定や、キャンプ飯メニューの試作、SNSでの発信内容を練るのも雨の日の仕事です。
晴れの日は「今この瞬間」のお客様との出会いに全力を注ぎますが、雨の日はその出会いをどう広げていくかを考える、いわば設計の時間。

次にどこへ行こうか、どんな一杯を届けようか。
地図を広げながら妄想する時間は、実は一番わくわくする作業かもしれません。

待つことも、出会いの一部

「お客様のところへ出向く」というスタイルを大事にしてきたからこそ、出店できない日は少しもどかしく感じることもあります。
でも、雨が上がった後の一杯は、なんだか特別においしく淹れられる気がするんです。

晴れの日を待つ時間も含めて、一期一会の準備なのかもしれません。
次にお会いできる日を楽しみに、今日も静かに準備を続けています。

自家焙煎 コーヒーライフ/ライフさん

ライフさんのブログ投稿日:火曜日&木曜日20時

キャンプ飯開発の裏側

きっかけは、10年分のキャンプ経験

キャンプ飯メニューを考え始めたきっかけは、特別なことではなかった。

もう10年以上、休みのたびに山や川へキャンプに出かけてきた。
焚き火を囲み、料理を作り、コーヒーを淹れる。

その時間の心地よさを、キッチンカーに来てくれるお客様にも味わってもらえないか。
そんな単純な思いから、メニュー開発は始まった。

キャンプで自分が実際に作って美味しかったもの、何度も繰り返し作りたくなったものを、まずリストアップするところからのスタートだった。

「屋外で美味しい」を追求する難しさ

キャンプ飯とコーヒーの相性を考えるうえで、一番悩んだのは「屋外だからこそ美味しい」という感覚をどう再現するかだった。

同じ料理でも、外の空気の中で食べると味わいが変わる。
焚き火の匂い、風の音、少し不便な環境。
そうした要素込みで「美味しい」と感じていたのだと、メニュー開発を通して改めて気づかされた。

キッチンカーという限られた設備の中で、その空気感をどう再現するか。
試作を重ねながら、器の選び方、盛り付け一つにもこだわるようになった。

試作と試食を繰り返す日々

メニューが形になるまでには、数えきれないほどの試作があった。

分量を変え、調理時間を変え、コーヒーとの組み合わせを何度も試す。
自分だけでなく、周りの人にも味見をしてもらい、率直な感想をもらう。

「もう少し香ばしさが欲しい」「コーヒーとの間隔が短い方がいい」。
そうした声を一つずつ反映していった。

地味な作業の繰り返しだったけれど、少しずつ理想の一皿に近づいていく過程は、キャンプそのものの楽しさに似ていた。

キャンプ飯が繋ぐもの

今、キッチンカーで提供しているキャンプ飯メニューには、そうした試行錯誤の時間がそのまま詰まっている。

一皿を通して、キャンプの心地よさや、屋外で過ごす時間の豊かさを、少しでも感じてもらえたら嬉しい。
そしてその先に、コーヒーを介した会話や出会いが生まれていけば、これ以上のことはない。

これからも、キャンプ経験を活かしながら、新しいメニュー開発を続けていきたいと思っている。


ライフさんのブログ投稿日:火曜日&木曜日20時

なぜ「移動する」コーヒー屋を選んだのか

待つ店ではなく、会いに行く店

一つの場所に根を張り、お客様が来てくれるのを待つ。
それも一つの形だとは思う。けれど自分の中には、もっと単純な思いがあった。
「会いたい人のところへ、自分から出向きたい」という気持ちだ。
キッチンカーという形は、その思いをそのまま形にできる手段だった。
場所を選ばず、必要としている人のいる場所まで、コーヒーを運んでいける。

一つの場所に留まらないことの意味

移動するということは、毎回ゼロから関係を築き直すということでもある。
同じ場所で長く商売をすれば、積み重ねの強さがある。
でも移動することで出会う、その日その場所だけの一期一会にも、同じくらいの価値があると思っている。
マルシェで、公園で、住宅街の一角で。
行く先々で違う顔ぶれ、違う会話が生まれる。
その都度、自分自身も新しく試される感覚がある。それが心地よくて、今も続けている。

「ここでしか会えない」という価値

キッチンカーだからこそ生まれる出会いがある。
たまたま通りかかった人、たまたまその日その場所にいた人。
決まった店舗であれば起こらなかったはずの出会いが、移動することで日々生まれていく。
「今日はここにいるんだね」と声をかけてもらえることも増えた。
移動するからこそ、会えたときの嬉しさが、少し特別なものになる気がしている。

移動することは、関わり続けること

振り返ると、移動を選んだ理由は、単に身軽さや自由さのためだけではなかったのだと思う。
一つの場所に留まらず、いろいろな人、いろいろな地域と関わり続けたい。
そのために、自分から動く必要があった。
これからも、キッチンカー一台で、いろいろな場所へ出向いていく。
そこでしか生まれない出会いを重ねながら、コーヒーという小さなきっかけを届け続けたい。

自家焙煎 コーヒーライフ/ライフさん
投稿日:火曜日&木曜日20時/ふとした時、会いに来てください。

一杯に込める「間」の作り方

忙しさの中で失われていくもの

コーヒーを一杯飲むだけの時間すら惜しいと感じる日がある。
スマートフォンを片手に、立ったまま流し込むように飲む一杯。それもひとつの飲み方だけれど、コーヒー本来の味わいや香りは、きっとその半分も感じ取れていない。
忙しさに追われるほど、私たちは「間」を持つことを忘れていく。

「間」とは、あえて立ち止まること

「間」とは、何もしない時間ではない。
あえて立ち止まり、目の前のものに意識を向けるための時間だ。
豆を挽く数十秒、お湯を注ぐ数分間。この工程を省略せずに味わうことこそが、一杯に「間」を込める第一歩になる。
手を動かしながらも、心は急がない。そんな矛盾したような時間の使い方が、案外心地いい。

一杯を淹れる工程そのものが「間」になる

豆を挽く音、お湯が落ちていく音、立ちのぼる湯気。
これらすべてに意識を向けていくと、コーヒーを淹れる工程そのものが、自然と「間」になっていく。
特別な道具や場所は必要ない。台所でも、キッチンカーの前でも、意識ひとつでその時間は変わる。
急がず、丁寧に。それだけで一杯の価値は大きく変わってくる。

「間」がある一杯を、日常に

「間」を持つことは、決して贅沢なことではない。
一日のうち、ほんの数分でいい。その数分間、コーヒーと向き合う時間を持てるかどうかで、心の余白は大きく変わってくる。
そんな「間」がある一杯を、日常の中に少しずつ届けていくこと。急がない一杯が、今日という日を少しだけ豊かにしてくれる。

自家焙煎 コーヒーライフ/ライフさん
投稿日:火曜日&木曜日20時/ふとした時、会いに来てください。

キッチンカー仲間とのつながり

一人で始めた仕事のはずが

キッチンカーという仕事は、一見すると一人で完結するもののように思える。
仕込みも、運転も、接客も、基本的には自分でこなす。
実際、始めたばかりの頃はそう思っていた。けれど続けていくうちに気づく。
この仕事は、思っていた以上に「人とのつながり」に支えられているということに。

現場で交わす、ちょっとした会話

イベント当日、設営を終えてほっと一息つく頃、隣のキッチンカーから声をかけられる。
「今日はどこから来たの?」「久しぶりだね〜!」そんな何気ない会話から始まる関係が、意外と長く続いていく。
次のイベントで再会したときには、いい距離感になっていることも多い。

ジャンルが違うからこそ、うまくいく

コーヒーとパン、コーヒーとスイーツ、コーヒーとカレー。
扱うものが違うからこそ、自然と協力し合える関係が生まれる。
「今度一緒のイベントに出よう」そんな声かけが、日常的に交わされるようになった。
異業種だからこその心地よい距離感が、そこにはある。

一台では届けられない体験を、みんなで

一台のキッチンカーが提供できるものには限りがある。
けれど、何台ものキッチンカーが集まれば、そこは小さな街のような賑わいになる。
お客さんは一箇所で、コーヒーもパンもスイーツも楽しめる。
仲間たちと場を作り上げていく感覚は、一人では決して味わえないものだ。
この仕事を続けていて良かったと思う瞬間のひとつだ。

自家焙煎 コーヒーライフ/ライフさん
投稿日:火曜日&木曜日20時/ふとした時、会いに来てください。

初めての場所で出店する緊張感

前日の夜、頭の中でシミュレーションする

初めて出店する場所が決まると、前日の夜はいつもより少し眠りが浅い。
道順、駐車できるスペース、電源は使えるか、人通りはどれくらいか。
地図とにらめっこしながら、頭の中で何度も当日の流れをシミュレーションする。
何年やっていても、この感覚だけは慣れることがない。
不安というより、「まだ知らない場所」に対する緊張感。
知らない土地に、キッチンカー一台で挑む感覚は、何度経験しても新鮮だ。

到着してからの数十分

現地に着いてからの数十分が、実は一番緊張する時間かもしれない。
車を停め、機材を並べながら、周りの空気を肌で感じ取る。
どんな人が歩いているか、どんな時間の流れがある場所か。
マルシェなのか、住宅街の一角なのか、公園なのか。
場所によって、コーヒーの淹れ方も、声のかけ方も、少しずつ変わってくる。
準備をしながら、「今日はどんな出会いがあるんだろう」という期待と、「誰も来なかったらどうしよう」という不安が、同時に胸の中にある。

最初の一杯を淹れるまで

最初のお客様が来てくれるまでの時間は、いつも長く感じる。
でも不思議なことに、一杯目のコーヒーを淹れ始めた瞬間、緊張はすっと引いていく。
手を動かし、香りを感じ、目の前の一人のために丁寧に淹れる。
その一連の動作が、自分を落ち着かせてくれる。
コーヒーという存在が、知らない土地でも変わらず自分の軸でいてくれることに、何度も助けられてきた。

緊張の先にあるもの

振り返ってみると、一番印象に残っている出会いは、実は一番緊張していた場所で生まれていることが多い。
知らない土地、知らない顔ぶれの中に飛び込むからこそ、そこで交わす何気ない会話や、初めて飲んでもらう一杯の重みが、いつもより少し特別に感じられる。
緊張は、消えてなくなるものではなく、たぶんこれからもずっと付き合っていくものなんだと思う。
それでも、その先にある出会いを知っているから、また次の知らない場所へ、キッチンカーを走らせたくなる。

自家焙煎 コーヒーライフ/ライフさん
投稿日:火曜日&木曜日20時/ふとした時、会いに来てください。