初めての場所で出店する緊張感

前日の夜、頭の中でシミュレーションする

初めて出店する場所が決まると、前日の夜はいつもより少し眠りが浅い。
道順、駐車できるスペース、電源は使えるか、人通りはどれくらいか。
地図とにらめっこしながら、頭の中で何度も当日の流れをシミュレーションする。
何年やっていても、この感覚だけは慣れることがない。
不安というより、「まだ知らない場所」に対する緊張感。
知らない土地に、キッチンカー一台で挑む感覚は、何度経験しても新鮮だ。

到着してからの数十分

現地に着いてからの数十分が、実は一番緊張する時間かもしれない。
車を停め、機材を並べながら、周りの空気を肌で感じ取る。
どんな人が歩いているか、どんな時間の流れがある場所か。
マルシェなのか、住宅街の一角なのか、公園なのか。
場所によって、コーヒーの淹れ方も、声のかけ方も、少しずつ変わってくる。
準備をしながら、「今日はどんな出会いがあるんだろう」という期待と、「誰も来なかったらどうしよう」という不安が、同時に胸の中にある。

最初の一杯を淹れるまで

最初のお客様が来てくれるまでの時間は、いつも長く感じる。
でも不思議なことに、一杯目のコーヒーを淹れ始めた瞬間、緊張はすっと引いていく。
手を動かし、香りを感じ、目の前の一人のために丁寧に淹れる。
その一連の動作が、自分を落ち着かせてくれる。
コーヒーという存在が、知らない土地でも変わらず自分の軸でいてくれることに、何度も助けられてきた。

緊張の先にあるもの

振り返ってみると、一番印象に残っている出会いは、実は一番緊張していた場所で生まれていることが多い。
知らない土地、知らない顔ぶれの中に飛び込むからこそ、そこで交わす何気ない会話や、初めて飲んでもらう一杯の重みが、いつもより少し特別に感じられる。
緊張は、消えてなくなるものではなく、たぶんこれからもずっと付き合っていくものなんだと思う。
それでも、その先にある出会いを知っているから、また次の知らない場所へ、キッチンカーを走らせたくなる。

自家焙煎 コーヒーライフ/ライフさん
投稿日:火曜日&木曜日20時/ふとした時、会いに来てください。

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